媒介契約の3つの種類とちがい、それぞれのメリット・デメリットと選び方について解説!
2023年12月4日
不動産の売買を仲介会社に依頼する場合には、媒介契約を結ぶことが義務付けられています。
媒介契約には3つ種類がありますが、どのようなものなのかご存知でしょうか。
今回は「媒介契約の3つの種類とちがい、メリット・デメリット」をテーマに解説します。
媒介契約とは
媒介契約とは不動産会社に売買仲介を依頼する際、依頼者が仲介会社と交わす契約のことです。
そして宅建業法には媒介契約を締結したときは遅滞なく、媒介契約書を交付しなければならないと決められています。
不動産会社とのトラブルを未然に防ぐために、媒介契約は必ず事前に書面で取り交わしておきましょう。
媒介契約書の内容
媒介契約書にどんな情報を記載するかは、国土交通省が標準媒介契約約款を作成しており、多くの不動産会社はこの書式に則って作成しています。
媒介契約書のひな形はインターネット上で誰でも確認ができるので、一度見てみるのもおすすめです。(宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款)
標準媒介契約約款に書かれている主な内容は以下の7点です。
・媒介契約の種類
・REINS(レインズ)の登録や業務の活動頻度に関すること
・媒介業務の内容
・違約金や費用の償還について
・媒介契約の有効期間
・媒介価額や報酬に関すること
・物件の情報
これらの情報は、売買契約を進めていくうえでとても大切な情報です。
記載してある内容の中でわからないことがあればしっかりと確認し、納得したうえで記名押印をしましょう。
媒介契約の種類は全部で3つ
不動産会社と締結する媒介契約の種類は一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3つがあります。専任媒介、専属専任媒介と全部で3つあります。
一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任 | |
依頼できる会社数 | 制限なし(複数の会社に依頼できる) | 1社のみ | 1社のみ |
※REINS(レインズ)への登録義務 | なし(任意で登録することもできる) | あり(7営業日以内) | あり(5営業日以内) |
定期的な活動報告義務 | なし(任意で報告することもできる) | あり(2週間に1回以上) | あり(1週間に1回以上) |
契約期間 | 制限なし(ただし行政の指導は3ヶ月以内) | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
自己発見取引 | 〇 | 〇 | × |
※REINS(レインズ)とは
国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する不動産会社間の情報共有システムのことです。
「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の英語の頭文字を並べて名付けられました。
会員となっている不動産会社は売主の依頼に基づいて不動産情報を登録し、不動産業界全体で情報を共有しています。
通常REINS(レインズ)の掲載状況は一般の方には見ることができませんが、不動産会社がレインズに登録した時に発行される「登録証明書」があれば、売主のみ掲載状況を確認することができます。
一般媒介契約
一般媒介契約とは売主が他の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができる媒介契約の方法です。
また、売主自ら売却の相手を見つけて契約する「自己発見取引」も認められており、3つの媒介契約の中では最も制限がなく自由な媒介契約方法といえます。
複数の不動産会社に対して売主が直接販売活動を依頼し連絡を取るので、買い手の幅が広がる一方、不動産売却の経験がない方にとってはやりとりが大変かもしれません。
そして不動産会社による活動報告の義務がないため、売主側からどのような販売活動をしているのかがわかりにくいデメリットもあります。
専任媒介契約
専任媒介契約や専属専任媒介契約と一般媒介契約の大きなちがいは、「複数の会社に媒介を依頼することができるのか」ということです。
上記の図を見るとわかる通り、専任(専属専任)媒介契約の場合、売主は複数の会社に重ねて媒介を依頼することができません。
売主は不動産会社1社のみと媒介契約を結んでいただき、不動産会社がREINS(レインズ)に登録して他の不動産会社に情報を共有していきます。
あくまでも販売活動における窓口は媒介契約を結んだ不動産会社1社のみですので、一般媒介契約に比べると対応を不動産会社に任せられることが多く、安心感があります。
しかし売主は1社のみにしか依頼ができないので、不動産会社や営業担当者の能力によって成約に至るまでのスピードや売却価格が変わってしまうこともあります。
専属専任媒介契約
専属専任媒介は3つの媒介契約の中で最も拘束力のある媒介契約の種類です。
売主は不動産会社1社のみにしか媒介を依頼することができず、また売主の自己発見取引(自ら見つけた相手と直接取引すること)も認められていません。
活動報告も1週間に1回以上と3つの媒介契約方法のなかで最も多いので、どんな販売活動をしているのか状況が把握しやすいでしょう。
ただ、万が一自分で買い手を見つけた場合でも、必ず媒介契約を結んだ不動産会社を通さなければいけないことに注意が必要です。
どんな媒介契約を結ぶのかは売り手次第!
いかがでしたか?
不動産売却における媒介契約を、どの会社とどんな方法で結ぶのかは売り手次第です。
「この不動産会社になら安心して任せられる!」と思える不動産会社と納得できる方法で媒介契約を結びましょう。
参考にしていただけたら嬉しいです。